【第2章】北の港町ハンブルク。私がドイツへ行きたくなった理由

私が「ドイツに行きたい」と思った、一番の理由。

それは、ハンブルクにあるミニチュアワンダーランドでした。

「ここに行ってみたい!」

ただそれだけの理由で、一人旅を計画しました。

今思えば、私のドイツ旅の始まりは、ある意味ここだったのかもしれません。

ミニチュアワンダーランドには、ものすごい数のジオラマがあります。

ただ街が再現されているだけではありません。

その中を電車が走り、飛行機が飛び、船が海を行き交う。

気球が飛んでいたり、ロケットまであります。

そして、すごいのは乗り物だけではありません。

そこに暮らしている人たちの生活まで作り込まれているんです。

よく見ると、いろいろなところで事件が起きています。

屋根の上で日光浴をしている美女がいたり。

ひまわり畑の真ん中で、いちゃいちゃしているカップルがいたり。

川では、なんと死体が上がっていたり……。

宇宙人もいる。

スーパーマンもいる。

そして、日本の国技・相撲までやっている。

「そこまでやる?」

と思わず笑ってしまいます。

でも、一度見始めると止まりません。

「次は何があるんだろう?」

と探しているうちに、あっという間に時間が過ぎていきます。

これは本当に、時間がいくらあっても足りません。

ドイツに行くなら、ハンブルクまで行ってでも一度は見てほしい場所です。

ハンブルクは北の港町。

そんなハンブルクらしさを感じられるイベントが、日曜日のフィッシュマーケットです。

朝から活気があって、とにかく楽しい。

魚だけを売っている市場というより、街のお祭りのような雰囲気があります。

威勢のいい声が飛び交って、歩いているだけでも楽しい。

そして、こういう場所に行くと、ついつい買ってしまうんですよね。

私も、なんだかその場のノリでお菓子を買ってしまいました(笑)。

「これ、どこで食べるんだろう?」

と思いながら買ってしまうのも、旅の楽しみのひとつです。

クリスマスマーケットも素敵でした。

ドイツのクリスマスマーケットは、街によって雰囲気が違うのですが、ハンブルクもとても印象に残っています。

そして、ここにはちょっとした名物があります。

頭上をサンタクロースが飛ぶんです。

空を見上げると、サンタクロース。

初めて見たときは、

「えっ、飛んでる!」

と、思わず見上げてしまいました。

寒い冬の夜、マーケットを歩きながら飲んだホットチョコレート

これがまた美味しかった。

今でも、ハンブルクのクリスマスを思い出すと、あのホットチョコレートの味まで思い出します。

ハンブルクは、私にとってもうひとつ思い出深い場所です。

ここを夜行寝台列車の出発地として利用したことがあります。

日本では、今では乗る機会が少なくなった夜行寝台列車。

でも、ヨーロッパではかつて、国境を越えて走る夜行列車がもっと身近な存在でした。

夜に列車に乗り込み、ベッドに横になる。

目を覚ますと、昨日とは違う国。

これもヨーロッパ鉄道旅の大きな魅力でした。

そして、ハンブルク周辺の鉄道旅で忘れられないのが、**「渡り鳥ライン」**と呼ばれていたルートです。

列車に乗ったまま、なんと列車ごと船に乗り込む。

列車がそのままフェリーに載せられて海を渡り、デンマークへ向かうという、とても珍しいルートでした。

「電車が船に乗る?」

初めて聞いたときは、そんなことが本当にあるのかと思いました。

でも、本当にあったんです。

今ではルートが変わり、橋を渡ってデンマークへ行けるようになりました。

こういう鉄道の変化も、長くヨーロッパを旅してきたからこそ感じられるものなのかもしれません。

私はドイツの街だけでなく、ドイツの鉄道そのものも好きです。

ドイツの鉄道網は、まるで網の目のように張り巡らされています。

大きな街から小さな街へ。

都市から郊外へ。

そして国境を越えて、隣の国へ。

「ここからあの街まで電車で行けるんだ」

と思うと、それだけでワクワクします。

私がドイツの小さな街を好きになったのも、鉄道があったからなのかもしれません。

車がなくても、電車に乗れば知らない街へ行ける。

駅に降り立って、そこから街を歩く。

木組みの家を見つけたり、小さなパン屋さんに入ったり、偶然見つけた教会を覗いてみたり。

そんな旅が、私は大好きです。

フランクフルトは、私が初めて降り立ったドイツの街。

ミュンヘンは、アルプスやお城へと旅を広げてくれた街。

そしてハンブルクは、

「ドイツに行ってみたい」

と思わせてくれた街。

そう考えると、私にとってハンブルクは少し特別な場所です。

ミニチュアワンダーランドを見たい。

ただそれだけだったのに。

その気持ちが、一人旅を始めるきっかけになり、そこから20回ものドイツ旅行につながっていきました。

そして、20回目のドイツから帰国したあと、私の生活にはベルがやってきました。

今はベルとの暮らしがあるから、昔のように自由に旅をすることはできません。

でも、こうして思い出を振り返っていると、また旅をしているような気持ちになります。

そしていつか。

ベルとの暮らしを大切にしながら、もう一度ドイツへ行けたらいいなと思っています。

そのときは、またハンブルクから始めたいと思います。

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